「もし、私が探偵に相談したって、夫にバレたら…?」
「もし、調査のことが、親や会社に知られたら…?」
考えただけで、血の気が引きますよね。
全てが壊れてしまうんじゃないか、という恐怖で、胸が張り裂けそうになる。
その気持ち、痛いほど分かります。私も、そうでしたから。
こんにちは、みさきです。
探偵への相談を考えるとき、調査そのものと同じくらい、いえ、それ以上に怖いのが「情報漏洩」のリスクではないでしょうか。
ですが、安心してください。
あなたが勇気を出して打ち明けたその秘密は、あなたが思っている以上に、法律によって、そして探偵の倫理によって、固く守られています。
今回は、その「守秘義務」という、あなたを守るための強力な盾について、どこまでが守られて、どこからが例外なのか、具体的にお話ししますね。
結論:あなたの秘密は原則として固く守られる。ただし、知っておくべき「例外」と「賢い自己防衛策」も
いきなり結論からお伝えします。
あなたが正規の探偵社に相談した内容が、あなたの許可なく家族や会社に伝わることは、原則としてありません。
なぜ、そう言えるのか。
それには、2つの強力な理由があります。
1. 法律による「生涯の守秘義務」という、重要なルール
探偵業法という法律で、探偵には非常に厳しい「守秘義務」が課せられています。
重要なのは、この義務が「探偵を辞めた後も、一生涯続く」ということです。
もし、探偵がこの約束を破れば、公安委員会から営業停止などの重い行政処分を受ける可能性があります。
つまり、あなたの秘密を守ることは、探偵にとって単なる「お客様との約束」ではなく、自らの職業生命をかけた「法律上の義務」なのです。
※補足:守秘義務違反の罰則は?
守秘義務違反で、探偵がすぐに逮捕されて懲役刑になる、ということはありません。実は、探偵業法では、守秘義務違反そのものに直接の刑事罰は定められていないのです。では、法律が甘いのかというと、決してそうではありません。法律は、以下のような段階的なプロセスで厳しく監督する仕組みになっています。
- 指示(行政指導): まず、公安委員会から業務改善の「指示」が出されます。
- 営業停止命令など(行政処分): 違反が悪質であったり、指示に従わなかったりした場合、最大6ヶ月の「営業停止命令」や「営業廃止命令」といった、より重い行政処分が下されます。
- 刑事罰: そして、探偵がこの行政処分(営業停止命令など)に違反して営業を続けた場合に、初めて「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という重い刑事罰の対象となるのです。
このように、法律は即座に罰するのではなく、行政の監督によって探偵業の適正化を図ることを重視しています。
2. 誠実な探偵にとって「信用」が全てだから
多くの誠実な探偵社にとって、依頼者からの「信用」がなければビジネスは成り立ちません。
考えてみてください。もし、「あの探偵社は、秘密を漏らすらしい」なんて噂が一つでも立てば、その探偵社に仕事を依頼する人はいなくなりますよね。
しかし、残念ながら、過去には違法な情報売買で利益を得ようとした悪質な業者が存在したことも事実です。あなたの秘密を守ることは、探偵社がビジネスを続けていく上での生命線であるべきですが、全ての業者がそうとは限りません。
だからこそ、あなたが信頼できる誠実な探偵社を慎重に選ぶことが、何よりも重要なのです。
具体的な疑問に答えます
では、より具体的に、あなたの不安にお答えしていきますね。
Q. 夫(妻)や家族に、バレることはない?
A. 探偵が自ら伝えることはありません。
探偵が、あなたの配偶者や家族から「妻(夫)から調査の依頼は来ていませんか?」と問い合わせを受けても、「守秘義務がありますので、お答えできません」と回答します。これは法律で定められた対応です。
もちろん、調査の報告を、あなた以外の誰かにすることもありません。
Q. 会社に、バレることはない?
A. ありません。
調査対象者があなたの会社の同僚であったり、調査の過程であなたの職場に立ち入ったりする必要があったとしても、探偵が身分を明かすことはありません。
彼らは、配送業者や顧客を装うなど、自然な形で調査を行います。
「〇〇さんの配偶者の依頼で、調査に来ました」などと名乗ることはありませんので、安心してください。
知っておきたい最重要ポイント:守秘義務の「例外」
この強力な守秘義務ですが、絶対ではありません。法律で定められた「正当な理由」がある場合には、秘密を開示することが義務付けられます。
中でも、あなたが依頼する目的によっては「例外」ではなく「当然のプロセス」となる、最も重要なケースを知っておきましょう。
裁判での証言は「例外」ではなく「必然」のことも
あなたがもし、離婚や慰謝料請求のために浮気の証拠が欲しい、と考えているなら、これは非常に重要です。なぜなら、探偵に依頼する最終目的が「裁判で証拠として使いたい」だからです。
その場合、探偵が裁判所で証人として調査内容を話すことは、稀な例外ではありません。むしろ、あなたの目的を達成するために不可欠な、計画の一部なのです。
裁判所から証人として呼ばれた場合、探偵は調査について証言する法的義務があります。これは守秘義務が解除される「正当な理由」にあたるため、拒否することはできません。
知っておくと役立つ知識:探偵と弁護士の決定的な違い
ここで、あなたを守るための大切な知識をお伝えします。実は、弁護士や医師には「証言拒絶権」という特別な権利が法律で認められています。これは、依頼者や患者の重大な秘密を守るため、「証言を拒否できる権利」です。
しかし、探偵にはこの「証言拒絶権」がありません。
これはつまり、「同じ内容の秘密でも、弁護士に話した場合は法的に強力に守られるが、探偵に話した場合は、裁判で開示される可能性がある」ということを意味します。
もしあなたが非常に複雑な問題を抱えているなら、まず弁護士に相談し、その弁護士を通じて探偵を依頼する、という方法が最も安全な選択肢になるかもしれません。
探偵自身の「違法調査」が、あなたの情報を危険に晒す
もう一つ、考えておきたいリスクがあります。それは、探偵が違法な調査手法を使った結果、あなたの情報が漏れてしまうケースです。
例えば、探偵が住居侵入や、違法なGPSの設置といった犯罪行為を行い、警察に逮捕されたとします。
警察は犯行の動機を調べるため、「なぜ、そんなことをしたのか?」を徹底的に捜査します。その過程で、「誰が、何を目的で、いくらで調査を依頼したのか」が記された契約書やメールなどが、捜査の証拠として警察の手に渡ってしまうのです。
これは探偵が意図的に秘密を漏らしたわけではありませんが、結果としてあなたの情報が公的な捜査記録の一部になってしまう、という重大なリスクです。あなたの秘密は、探偵の遵法意識の高さと表裏一体なのです。
あなた自身を守るための「隠れたリスク」
実は、もう一つだけ、あなた自身を守るために知っておいてほしい「隠れたリスク」があります。
それは、万が一、探偵が強引な調査をして法律を破ってしまった場合、その責任の一部が、依頼したあなたに及んでしまう可能性がある、という点です。
例えば、追い詰められた気持ちから「どんな手を使ってでも証拠を掴んでほしい」と探偵にお願いし、その結果、探偵が住居侵入のようなことをしてしまったとします。
その場合、あなたが「危ない方法をお願いした」と見なされ、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう危険性がゼロではないのです。
あなたの秘密が漏れるだけでなく、あなた自身がもっと辛い立場に立たされてしまっては、元も子もありません。
だからこそ、「法律を守って、クリーンな調査をしてくれる誠実な探偵を選ぶ」ということが、何よりもあなた自身を守るための、一番確実なお守りになるのです。
まとめ:あなたの勇気を守るために、誠実でクリーンな探偵選びを
もう一度、大切なことなので繰り返します。
あなたが勇気を出して話した悩みや秘密は、
- 法律による「生涯の守秘義務」
- 誠実な探偵の「職業倫理」
この二重の盾によって、固く守られています。
しかし、その盾を絶対的なものにするためには、あなた自身が、法律を遵守し、誠実に業務を行う探偵を選ぶことが不可欠です。
「バレたらどうしよう」という不安を、正しい知識で乗り越え、信頼できるパートナーと共に、次の一歩を踏み出してください。
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