夫のスマホに表示された、信じがたいLINEのやり取り。
知らない女との、甘い言葉の応酬。二人でホテルに行ったことをほのめかす、生々しい会話。
心臓を、氷の手で鷲掴みにされるような衝撃。
「もう、これで言い逃れはできない」
怒りと悲しみの中で、あなたはそう確信したかもしれません。
こんにちは、みさきです。
その気持ち、痛いほど分かります。私も、そうでしたから。
「これだけ証拠があるんだから」…そう思っていました。
ですが、どうか、聞いてください。
私たちが感情的に「動かぬ証拠」だと信じるものと、法律の世界で「証拠」として認められるものとの間には、時として、残酷なほどの隔たりがあるのです。
この記事は、あなたを絶望させるために書くのではありません。
あなたが、感情だけで動いて不利な立場に追い込まれないように。そして、あなたの未来を守るための、本当に力を持つ「武器」とは何かを知ってもらうために、私の経験の全てを込めて書きます。
なぜ、LINEの履歴だけでは「不十分」なのか
信じがたいかもしれませんが、あなたが涙ながらに確認したあのLINEのやり取りだけでは、裁判などで慰謝料を請求する際に、「証拠として不十分です」と判断されてしまう可能性があるのです。
なぜなら、法律の世界で、慰謝料請求の対象となる「不貞行為(ふていこうい)」とは、原則として「配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係(肉体関係)を結ぶこと」と、非常に厳密に定義されているからです。キスや抱擁、デートといった行為は、それだけでは基本的に不貞行為にはあたりません。
つまり、裁判所が最も重視するのは「二人がどれだけ親密だったか」ではなく、「二人に肉体関係があったと、客観的に証明できるか」という、一点に尽きるのです。
その視点で見ると、LINEのやり取りには、以下のような弱点があります。
- 「好きだよ」という愛情表現だけでは、肉体関係の証明にならない。
- 「ホテルに行った」という会話も、それだけでは「実際に肉体関係があった」証明にはならない可能性がある。
- 「冗談だった」「ただの友達としてのノリ」と言い逃れされる可能性がある。
- 夫本人になりすまして、誰かが送った可能性を完全に否定できない、と反論される。
「そんな馬鹿な!」と思いますよね。私も、そうでした。
ですが、これが、感情を一切挟まない、法律の冷徹な現実なのです。
ただし、絶望する必要はありません。内容によっては、LINEのやり取りが非常に強力な武器になることもあります。例えば、性行為があったことを直接的・具体的に示すメッセージや、ホテルの領収書など他の証拠と日時が一致するやり取りは、極めて価値の高い証拠となり得ます。
では、何が「勝てる証拠」になるのか?
では、言い逃れのできない、本当に力を持つ「証拠」とは、一体何なのでしょうか。
それは、「二人が肉体関係を持つ機会があったこと、そして肉体関係があったことを、客観的に強く示す証拠」です。
証拠には、その「強さ」にレベルがあります。
【決定的証拠】これ一つで勝敗を左右しうる、極めて強力なもの
- 二人がラブホテルに出入りする写真や動画
- これが、最も強力な証拠です。顔がはっきりと分かり、ホテルの看板が映っていて、滞在時間が1時間以上など、十分に長いことが分かるものが理想です。
- 肉体関係があったことを認める会話の録音データや、本人が書いた念書
- 「〇〇(相手の名前)と肉体関係を持ったことを認めます」といった、明確な自白は非常に強力です。
- 探偵社が作成した、客観的な事実が記載された「調査報告書」
- 裁判で証拠として提出することを前提に作られており、上記の写真や動画と合わせて、極めて強力な証拠となります。
【重要証拠】他の証拠と組み合わせることで、真価を発揮するもの
- ホテルの領収書や、クレジットカードの利用明細
- これだけでは「一人で行った」と言い逃れされる可能性がありますが、LINEのやり取りなど他の証拠と組み合わせることで、信憑性が飛躍的に増します。
- 肉体関係を強くほのめかすLINEやメール
- 性行為の具体的な内容に触れるやり取りは、それ自体が有力な証拠になりえます。
- カーナビの走行履歴や、避妊具などの購入履歴
- 不貞相手の自宅やラブホテルへの頻繁な訪問履歴、見覚えのない避妊具なども、他の証拠を裏付ける重要な材料になります。
お願いです。その行動は「落とし穴」かもしれません。
「じゃあ、私がホテルの前で張り込んで、写真を撮ればいいのね!」
そう思ったかもしれません。
ですが、どうか、それだけはしないでください。
感情的になっているあなたが一人で行動することには、あなたが不利になる、あまりにも大きな「落とし穴」が潜んでいるのです。
落とし穴①:相手にバレて、証拠を隠される
最大の失敗は、あなたの動きが相手に気づかれてしまうことです。一度警戒されると、相手は慎重に行動し、証拠を消去するため、決定的な瞬間を押さえるのが格段に難しくなります。
落とし穴②:法を犯してしまい、逆に訴えられる
これが最も恐ろしいリスクです。「証拠のためなら」という一心で取った行動が、犯罪になってしまう可能性があります。
- 他人のIDとパスワードを無断で使い、LINEやSNS、クラウドサービスなどにログインする → 不正アクセス禁止法違反に問われる可能性があります。
- 相手の車に無断でGPSを付ける → ストーカー規制法違反やプライバシー侵害にあたる明確な違法行為です。あなたが訴えられ、損害賠償を支払うことになるリスクが非常に高い行為です。
- 相手の家に盗聴器を仕掛ける → 住居侵入罪などで、あなたが訴えられる可能性があります。
違法な手段で集めた証拠は、それ自体が原因であなたが損害賠償を請求されるリスクを負うことになります。また、収集方法があまりに悪質な場合、例外的に裁判で証拠として使えなくなる可能性もあります。結果として、あなたが慰謝料を支払う側に回ってしまうという、最悪の事態を招きかねないのです。
あなたの未来を守る「プロ」の力とは
私が最初の探偵選びで失敗した時と同じです。
正しい知識がないまま感情で動くと、時間も、お金も、そしてあなたの心も、無駄にすり減ってしまうだけなのです。
LINEの履歴は、それ自体が決定的な証拠にはならなくても、浮気の事実を指し示す、極めて重要な「手がかり」であることは、間違いありません。
その手がかりを、本当に力を持つ「証拠」へと変える。
そのためにこそ、冷静に、そして客観的に動いてくれる「プロ」の力が、時には必要なのです。
- 調査のプロ「探偵」
- 法律の範囲内で、あなたに代わって客観的な証拠を集めてくれます。費用はかかりますが、法を犯すリスクや相手にバレるリスクを最小限に抑え、裁判でも通用する質の高い「調査報告書」を手に入れることができます。
- 交渉と戦略のプロ「弁護士」
- LINEの履歴を見つけたら、相手を問い詰める前に、まず相談すべき専門家です。その証拠が法的にどれだけの価値を持つかを見極め、次に何をすべきか、最も安全で効果的な戦略を立ててくれます。あなたの代理人として冷静に交渉を進めてくれるため、精神的な負担も大きく軽減されるはずです。
どうか、一人で抱え込まないでください。
その震える手の中にある「手がかり」を、あなたの未来を守るための確かな「武器」に変えるために。
まずは一度、専門家に相談するという選択肢を、心に留めておいてください。
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