「もう、許せない」
「絶対に、真実を突き止めてやる」
怒りと悲しみ、そして裏切られたという屈辱。
それらの感情が、あなたの中で一つの大きな炎となり、「今すぐ探偵に電話しなきゃ」と、あなたを突き動かしているかもしれません。
その気持ち、痛いほど分かります。
かつての私も、そうでしたから。
感情に任せて、最初の探偵社に駆け込み、そして、見事に失敗しました。
こんにちは、みさきです。
私が犯した最大の過ちは、悪徳探偵を選んだことだけではありませんでした。
それ以前に、「自分は、真実を知って、その先どうしたいのか」という、最も大切な問いと、向き合うことから逃げてしまったことです。
この記事は、調査という「行動」を起こす前に、一度だけ、あなたの「心」と向き合うための時間です。
感情的になって失敗した、かつての私からの、心からのお願いです。
どうか、この5つのステップを、あなたの心を整理するためのお守りにしてください。
なぜ、調査の前に「自分の心」と向き合う必要があるの?
夫の裏切りを知った時、私たちの心は、嵐の海の小舟と同じです。
その状態で「調査」という羅針盤なき航海に出ても、どこに向かっているのか分からず、ただただ消耗し、やがて沈んでしまうだけ。
調査の目的は、夫を打ち負かすことではありません。
あなたが、これから先の人生を、穏やかな気持ちで生きていくための「航路」を見つけることです。
そのために、まずは嵐が過ぎ去るのを待ち、自分の現在地と、目指すべき港を、冷静に確認する必要があるのです。
自分の心と向き合うための5つのステップ
ステップ1:まず、今の感情をすべて「肯定」する
「夫を疑うなんて、私はなんて嫌な妻なんだろう…」
「怒りで気が狂いそう。こんな自分が怖い…」
そうやって、自分を責めないでください。
怒り、悲しみ、憎しみ、不安…今あなたの中にある、ドロドロとした感情のすべては、あなたが経験している苦しみを考えれば、そこにあって当然の、自然な感情です。
まずは、「そうか、私は今、こんなにも怒っているんだな」「こんなにも、悲しいんだな」と、その感情の存在を、ただ、静かに認めてあげてください。
良いも悪いもありません。それが、あなたの心の現在地です。
ステップ2:自分に、たった一つの質問をする
心が少しだけ落ち着いたら、自分に、この質問をしてみてください。
「もし、明日、すべてが思い通りになるとしたら、私は、本当は何を望むだろう?」
答えは、一つではないかもしれません。
それでいいのです。正直な気持ちを探ってみてください。
- 選択肢A:すべてを許し、もう一度やり直したい(復縁)
- あの頃のような、穏やかな夫婦関係に戻りたい。そのために、何が問題だったのかを、真実を知った上で話し合いたい。
- 選択肢B:許せない。別れて、新しい人生を歩みたい(離婚)
- もう、この裏切りを乗り越えて共に生きていくことはできない。慰謝料などの正当な権利を得て、自分の人生を再スタートさせたい。
- 選択肢C:今は分からない。ただ、真実が知りたい
- やり直すか、別れるかなんて、まだ考えられない。ただ、このモヤモヤした状況から抜け出すために、白黒ハッキリさせたい。
どれが正解、ということはありません。
あなたの心が、今、どの港を向いているのかを知ることが、何よりも大切です。
ステップ3:「最悪の真実」を知る覚悟を問う
もし、調査をして、「クロ」という決定的な証拠が出てきたら…?
その時、あなたの心は、どうなるでしょうか。
「やっぱり…」と冷静でいられますか?
それとも、想像を絶する現実に、心が壊れてしまうかもしれませんか?
真実を知ることは、時に、残酷な刃にもなります。
その刃を受け止める覚悟が、今の自分にあるかどうか。その覚悟がないのなら、今はまだ、動くべき時ではないのかもしれません。
ステップ4:証拠を手にした「後」の生活を想像する
仮に、あなたが望む「証拠」が手に入ったとします。
その調査報告書を、あなたは、どう使いますか?
- 復縁を望むなら…
- その証拠を、夫にどう突きつけますか?感情的に罵倒するため?それとも、冷静に関係修復を話し合うための「切り札」として?
- 離婚を望むなら…
- その証拠を持って、いつ、どのタイミングで、夫や弁護士と話をしますか?子供のこと、お金のこと、住む場所のこと…考えなければならないことは、山積みです。
証拠は、ゴールではありません。
あなたの新しい人生の、スタートラインに立つための「切符」に過ぎないのです。
その切符で、どんな列車に乗るのかを、少しだけ想像してみてください。
ステップ5:すべての気持ちを、紙に書き出す
ここまで考えてきたことを、誰にも見せないノートに、殴り書きでもいいので、すべて書き出してみてください。
「腹が立つ!」「悲しい!」「でも、好き…」「これからどうしよう」
頭の中だけで考えていると、感情はぐるぐると同じ場所を回り続けます。
一度、文字として外に出してあげることで、驚くほど客観的に、自分の気持ちを眺めることができるようになります。
まとめ:これは「逃げ」ではなく「準備」です
調査を決意する前に、一度立ち止まること。
それは、決して問題から目をそらす「逃げ」ではありません。
これから始まる、あなたの人生で最も過酷かもしれない戦いに、心という「武器」を最高の状態に研ぎ澄ますための、最も重要な「準備」なのです。
あなたの心が、本当に進むべき道を見定めた時。
その時初めて、探偵への一本の電話が、あなたの未来を照らす、本当の意味での「希望の光」になるのですから。
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