「一体、いくらかかるんだろう…」
「もし、法外な値段を請求されたらどうしよう…」
探偵への依頼を考えるとき、その不透明な料金体系は、本当に大きな不安の種ですよね。
かつての私も、そうでした。
そして、「安い方がいいに決まっている」という、あまりにも短絡的な考えで最初の探偵社を選び、結局、何の役にも立たない報告書のために、数十万円という大金を失いました。
こんにちは、みさきです。
あのお金を失った時の、地面が崩れ落ちるような感覚。あなたには、絶対に味わってほしくありません。
この記事は、そんな私の痛い失敗から学んだ、探偵費用の「本当の考え方」です。
単なる相場情報だけではありません。あなたが、自分の状況に合わせて最も賢い選択をし、無駄な費用を1円たりとも払わずに済むための、具体的な「4つのコツ」を、私の経験の全てを込めてお伝えします。
探偵の料金相場は「目的」で決まる|「10万~100万円」の数字の本当の意味
よく、インターネットで検索すると「浮気調査の相場は10万~100万円」といった情報が出てきます。
かつての私は、この数字の幅広さを見て「よく分からない」と感じるだけでした。しかし、この価格差には、あなたの「目的」を達成できるかどうかに関わる、非常に重要な意味が隠されています。
大切なのは、相場の数字に一喜一憂することではありません。あなたが「何のために調査をするのか」を明確にし、それに応じた料金プランと、支払う「総額」を冷静に見極めることなのです。
- 目的A:とにかく、浮気の事実があるかないか、白黒ハッキリさせたい
- この場合、証拠は1回分で十分なことが多く、調査時間も短く済む可能性があります。費用相場は比較的安く、10万円~30万円程度が目安です。
- 目的B:離婚や慰謝料請求のために、言い逃れのできない法的な証拠が欲しい
- この場合、裁判で有効となる「継続的な不貞行為」を証明するため、複数回の証拠が必要になることがほとんどです。そのため調査は長時間に及び、費用相場は30万円~70万円以上になることも珍しくありません。
つまり、料金は探偵の言い値で決まるのではなく、あなたの目的を達成するために必要な「調査の質と量」で決まるのです。この大前提を理解することが、賢い探偵選びの第一歩です。
3つの料金プラン|あなたに最適なのはどれ?
探偵社の料金プランは、大きく分けて、この3つのどれかに分類されます。それぞれの特徴と、特に注意すべき点を、正直にお話ししますね。
1. 時間料金型プラン
「調査員1名・1時間あたり〇〇円」という、最もシンプルなプランです。調査員2名の場合、1時間あたり2万円~3万円が相場です。
- メリット◎
- 「夫が浮気相手と会う日が、ほぼ特定できている」など、短時間で調査が終わる見込みが高い場合、総額を最も安く抑えられる可能性がある。
- デメリット×
- 調査が長引いた場合、料金が青天井になるリスクがある。
- 基本料金の他に、車両費(1日1万~2万円)、燃料費、報告書作成費などの「経費」が別途請求されることが多い。予期せぬ高額請求を避けるため、契約時に経費の上限額を設定したり、一定額を超える経費は事前承認を必要とするといった取り決めが可能か確認しましょう。
- こんなあなたにおすすめ
- 「調査してほしい日時が、ピンポイントで分かっている」
- 「まずは短時間だけ、お試しで調査してみたい」
2. パック料金型プラン
「調査20時間で〇〇万円」というように、一定の調査時間をまとめて契約するプランです。多くの探偵社が、このプランを主流にしています。20時間で40~50万円程度が相場です。
- メリット◎
- 調査が始まる前に「総額」が確定するので、予算の見通しが立てやすい。
- 時間あたりの単価が、時間料金型よりも割安に設定されていることが多い。
- デメリット×
- 契約した時間よりも早く調査が終わっても、残りの時間分の返金がない場合がほとんど。
- 必要な調査時間を多めに見積もられてしまうと、結果的に割高になる可能性も。
- 契約時間を超過した場合、割高な時間料金に移行することがあるため、超過時の料金体系を契約前に必ず確認しましょう。
- こんなあなたにおすすめ
- 「ある程度、長時間の調査が必要になりそう」
- 「予算オーバーの心配をせず、安心して任せたい」
3. 成功報酬型プラン|【要注意】最もトラブルが多い高リスクな選択肢
「証拠が取れた場合のみ、料金が発生する」というプランです。一見、最もリスクが低いように見えますが、消費者トラブルが頻発しており、最大限の注意が必要です。
- メリット◎
- (契約内容によりますが)「証拠が取れなければ、高額な報酬の支払いがない」という、一見すると金銭的なリスクが低いように感じられる。
- デメリット×
- 「成功」の定義が罠になる: あなたが求める「裁判で使える証拠」と、業者が定める「成功」の定義が全く違う場合があります。「対象者と浮気相手が接触しただけで成功」といった、あなたにとっては無価値な結果で高額な報酬を請求されるトラブルが後を絶ちません。
- 返金されない「着手金」が存在する: 「完全成功報酬」でない限り、調査が失敗しても返金されない高額な「着手金」(数十万円に及ぶことも)を請求されることがほとんどです。証拠が取れなくても、この着手金は失うことになります。
- 費用対効果が合わないリスク: 成功した場合の報酬は非常に高額で、総額が100万円、時には200万円を超えることも珍しくありません。多額の費用を払って証拠を得ても、裁判で認められる慰謝料の額が調査費用を下回ってしまい、経済的に損をしてしまう可能性も十分にあります。
- こんなあなたにおすすめ
- (基本的には推奨しませんが)もし検討する場合は、弁護士など法律の専門家を交えて契約書を精査し、「成功の定義」を具体的かつ厳密に(例:「配偶者と浮気相手がラブホテルに出入りする、顔が明確に識別できる鮮明な写真」など)記載できる場合に限ります。
費用を抑える大前提|あなたを守る法律「探偵業法」を知る
どのプランを選ぶにせよ、まず知っておいてほしいことがあります。それは、私たち依頼者を守るための「探偵業法」という法律の存在です。この法律により、誠実な探偵社は、契約プロセスにおいて以下の2段階の書面交付を行う義務があります。
- 【契約前】重要事項説明書の交付と説明(探偵業法 第8条第1項)
- 業者は契約を結ぶ前に、料金体系、調査の方法、キャンセル規定など、契約に関する重要な内容を記載した「重要事項説明書」という書面を必ず交付し、口頭で説明しなければなりません。これは、あなたが内容を十分に理解し、疑問点を質問して納得するための大切な機会です。
- 【契約後】契約書の交付(探偵業法 第8条第2項)
- あなたが内容に合意し契約を結んだ後、業者は遅滞なく、調査の総額や支払い時期など、全ての合意内容を明記した正式な「契約書」を交付する義務があります。
もし、相談に行った探偵社がこれらの書面の交付を渋ったり、説明を怠ったりした場合は、その業者は明確な法律違反です。どんなに安い料金を提示されても、絶対に契約してはいけません。
探偵費用を賢く抑えるための、4つのコツ
法律という盾があることを理解した上で、いよいよ費用を賢く抑えるための具体的なコツをお伝えします。これを実践するだけで、あなたは探偵社に対して、ただ言いなりになるのではなく、「賢い依頼者」として、対等に交渉を進めることができます。
コツ1:情報を、できる限り自分で集めておく
探偵の料金は、突き詰めれば「調査員が、何時間動いたか」で決まります。
つまり、調査時間を短くできれば、費用は劇的に安くなるのです。
- あなたが提供すべき情報
- 夫が浮気相手と会う可能性が最も高い「曜日」や「時間帯」
- 浮気相手の、分かる範囲での情報(名前、あだ名、おおよその勤務先など)
- 夫が使いそうな言い訳(「〇〇と飲み会」「休日出勤」など)
これらの「手がかり」を事前に提供することで、探偵は闇雲に動く必要がなくなり、調査の的を絞ることができます。それが、結果的にあなたの金銭的な負担を軽くするのです。
コツ2:「何が欲しいのか」を、明確に伝える
あなたは、調査によって、何を手に入れたいですか?
- 目的A:とにかく、浮気の事実があるかないか、白黒ハッキリさせたい
- → この場合は、必ずしも裁判で使えるレベルの、完璧な証拠は必要ないかもしれません。まずは短時間の調査で、事実確認だけを行う、という選択肢もあります。
- 目的B:離婚や慰謝料請求のために、言い逃れのできない証拠が欲しい
- → この場合は、中途半端な調査では意味がありません。ラブホテルに出入りする写真など、法的に有効な証拠を、一発で押さえるための、最適なプランを組む必要があります。
この目的がブレていると、探偵社も最適な提案ができず、無駄な調査が増えてしまいます。
コツ3:必ず、2社以上の「総合的な業者審査」を行う
私が最初の探偵選びで失敗した、最大の原因。
それは、一社だけの話を聞いて、その場で契約してしまったことです。
必ず、2社、できれば3社の無料相談に行き、同じ条件で見積もりを出してもらってください。ただし、比べるのは料金の総額だけではありません。
- 見積もりの詳細さ: 「調査一式」のような曖昧な項目はありませんか?調査員数、車両費、経費の内訳まで細かく記載されていますか?
- 調査計画の具体性: あなたの目的に対して、なぜその調査時間や人数が必要なのか、納得のいく説明はありましたか?
- 報告書の質: 最終的に手にするのは報告書です。裁判でも使えるレベルか、個人情報を消したサンプルを見せてもらい、質を確認しましょう。
- 担当者の誠実さ: あなたの不安に寄り添い、質問に丁寧に答えてくれますか?契約を急かしたり、高圧的な態度を取ったりしませんか?
料金と、その内訳である「信頼性」を天秤にかけること。それこそが、あなたが後悔しないための、最高の自己防衛策なのです。
コツ4:契約前に絶対確認!悪質業者を見抜く最終チェック
最後に、契約書にサインする前に、以下の3点を必ず自分の目で確認してください。一つでもクリアできなければ、その業者は危険です。
- 【最重要】法律で定められた「標識」は事務所に掲示されているか?
- 正規の探偵社は、必ず都道府県の公安委員会に届け出ています。2024年4月の法改正により、届出済みの業者は、定められた様式の「標識」を事務所の見やすい場所に掲示することが義務付けられました。ウェブサイトを持つ業者(一部の小規模事業者を除く)は、サイト上にもこの「標識」を掲載する義務があります。これがなければ違法、または法令遵守の意識が低い業者です。
- 【要確認】行政処分を受けていないか?
- 過去に法律違反などで営業停止などの行政処分を受けた業者は、各都道府県警察のウェブサイトで公表されています。契約前に必ず社名を検索し、処分歴がないかを確認しましょう。これは悪質な業者を避けるための最も確実な方法の一つです。
- 事務所は実在するか?
- ホームページしかなく、相談場所をカフェやカラオケボックスに指定する業者には注意が必要です。実際に事務所を構えているかを確認しましょう。
まとめ:最高のパートナーは、あなたのお金も守ってくれる
探偵選びは、結婚相手を選ぶのと同じくらい、あなたの人生を左右する、重要なパートナー選びです。
そして、本当にあなたの未来を考えてくれるパートナーは、あなたの心だけでなく、あなたの大切なお金も、守ろうとしてくれるはずです。
料金や法律について、正直に、そして明確に説明してくれるか。
あなたの予算と目的の中で、最大限の効果を出すための提案をしてくれるか。
その誠実な姿勢こそが、あなたが支払うお金の、本当の価値になるのですから。
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