いくつかの探偵社のウェブサイトを見て、無料相談の予約ボタンを前に、あなたの指が震えているかもしれませんね。
「一体、何を聞けばいいんだろう…」
「言いくるめられて、契約させられてしまったらどうしよう…」
その不安、痛いほど分かります。
かつての私も、そうでしたから。最初の探偵社との面談では、相手の勢いにただ圧倒され、気づけば契約書にサインをしていました。
こんにちは、みさきです。
あの失敗の後、私は何社もの探偵社と面談を重ねました。そして、その度に「これだけは必ず確認する」という、自分だけのチェックリストを作っていったのです。
この記事は、そんな私の「比較検討ノート」そのものです。
あなたが、無料相談という場で、相手の言葉に惑わされず、冷静に、そして確実に見極めるための「9つの質問」だと思ってください。
【無料相談へ行く前に】あなたの「心の盾」となる準備
手ぶらで戦場へ行ってはいけません。無料相談は、あなたの未来を決める「交渉」の場です。以下の2つを準備するだけで、あなたの心は、驚くほど冷静でいられます。
- これまでの経緯を、時系列で紙に書き出しておく。
(いつ、どこで、何があったか。あなたの感情も一緒に) - この「9つのチェックリスト」を印刷、またはスマホにメモしていく。
準備はいいですか?
それでは、見ていきましょう。
探偵社を見極める、9つの重要チェックリスト
チェック1:【ウェブサイトで確認】「標識」は掲載されていますか?
そもそも相手が「戦う資格のある、合法的な業者か」を見極める、最初の関門です。
探偵業法という法律により、届出済みの探偵社は、公式ウェブサイトの見やすい場所に、届出番号などが記載された「標識」を掲載することが義務付けられています。
無料相談を予約する前に、まずその探偵社のウェブサイトを確認し、この「標識」が掲載されているかを見てください。 これが、違法な業者を避けるための、最も簡単で確実な第一歩です。
チェック2:料金について ―「総額」は、いくらですか?
私が最初に騙された、最も重要なポイントです。「1時間〇〇円」という単価だけを見てはいけません。
- この質問をする:
> 「今回のお願いしたい調査内容だと、最終的に、すべての経費(車両費、機材費、報告書作成費など)を含めた総額は、最大でいくらになりますか?」 - 見極めポイント
- 良い回答◎:「あなたの場合は〇〇時間パックが適切で、経費込みで総額〇〇円です。これ以上はかかりません」と、明確に答えてくれる。
- 悪い回答×:「やってみないと分かりませんね…」と、総額を濁そうとする。そもそも、料金の総額を書面で明確に提示することは、探偵業法で定められた事業者の義務です。これを怠る業者は、法律を守る意識が低いと言えます。
チェック3:調査力について ―「どんな調査」をしますか?
調査力とは、調査員の人数や経験だけではありません。あなたの状況に合わせた、最適な提案ができるかどうかが重要です。
- この質問をする:
> 「この状況で、具体的に、何人で、どのような機材を使って、どういう調査をする計画ですか?」 - 見極めポイント
- 良い回答◎:「〇〇という場所は人目が多いので、調査員3名体制で、こういうカメラを使います」と、具体的な計画を説明してくれる。
- 悪い回答×:「ご安心ください、弊社のベテランがやりますので」と、精神論に終始する。具体的な調査計画を書面で示すことも、法律で定められた探偵社の義務です。専門的な話から逃げるのは、義務違反の可能性があります。
チェック4:報告書について ―「サンプル」を見せてもらえますか?
調査報告書は、あなたが大金を払って手に入れる、唯一の「成果物」です。これが使えなければ、全てが無駄になります。
- この質問をする:
> 「個人情報を消したもので構わないので、実際の調査報告書のサンプルを見せていただけますか?」 - 見極めポイント
- 良い回答◎: すぐに分厚いファイルを見せてくれる。写真が鮮明で、行動記録が分単位で記載されている。
- 悪い回答×:「お見せできません」「後日…」などと、提示を渋る。
チェック5:違法調査について ― リスクを理解していますか?
あなたの身を守るために、探偵が法律を遵守する意識を持っているかは、絶対に確認すべきです。
- この質問をする:
> 「GPSを使った調査は、ストーカー規制法に触れる可能性があると聞いたのですが、その点はどうお考えですか?」 - 見極めポイント
- 良い回答◎:「おっしゃる通り、無断でのGPS設置は違法です。弊社では、法律を遵守した尾行と張り込みで調査します」と、リスクを明確に理解している。
- 悪い回答×:「大丈夫ですよ、バレないようにやりますから」と、安易な答えが返ってくる。この回答は、法律違反を厭わない非常に危険な兆候です。違法な手段で得た証拠は、裁判で使えない可能性が高く、最悪の場合、あなたがプライバシー侵害で訴えられるリスクすらあります。
チェック6:リアルタイム報告はありますか?
調査中の不安は、本当に筆舌に尽くしがたいものがあります。
- この質問をする:
> 「調査の途中経過は、リアルタイムで報告してもらえるのでしょうか?」 - 見極めポイント
- 良い回答◎:「はい、LINEやメールで、現場の状況をその都度ご報告します」
- 悪い回答×:「調査に集中しているので、報告は終了後になります」
チェック7:キャンセル規定について ― 書面で確認できますか?
万が一、調査が不要になった場合のことも、必ず確認しておきましょう。
- この質問をする:
> 「もし、調査開始前にキャンセルした場合、キャンセル料はいくらですか?それは、契約書に明記されていますか?」 - 見極めポイント
- 良い回答◎:「調査開始前であれば、キャンセル料はかかりません(または〇〇円です)。契約書にも、この通り記載があります」と、書面を指差して説明してくれる。キャンセルに関する規定を契約書に明記することも、探偵業法で定められた義務です。
- 悪い回答×: 口頭での説明のみで、書面での確認を嫌がる。
チェック8:調査後のサポートはありますか?(※注意が必要な質問です)
証拠は、ゴールではありません。しかし、ここでのサポートの提案には、法律の罠が潜んでいます。
- この質問をする:
> 「調査が終わった後、もし法的な手続きが必要になった場合、どのようなサポートが考えられますか?」 - 見極めポイント
- 危険な回答×:「はい、離婚問題に強い提携弁護士を、無料でご紹介できます」
- 一見親切に聞こえますが、これは弁護士法が禁止する「非弁提携」という違法行為にあたる可能性があります。その弁護士は、あなたにとって最善だからではなく、探偵社に利益があるから紹介されているのかもしれません。
- 良い回答◎:「弁護士が必要な場合は、お住まいの地域の弁護士会に相談することをお勧めしています。ご希望であれば、離婚問題に対応している弁護士事務所のリストをお渡しすることは可能ですので、ご自身で比較検討してみてください」と、中立的な立場を保ってくれる。
- 危険な回答×:「はい、離婚問題に強い提携弁護士を、無料でご紹介できます」
チェック9:あなたとの相性 ―「この人」を信じられますか?
最後のチェックリストは、あなた自身の「心」です。
- 自分に、こう問いかける:
> 「私は、目の前にいるこの人を、私の人生で最も辛い時期のパートナーとして、心から信頼できるだろうか?」 - 見極めポイント
- どんなに条件が良くても、あなたが「何となく、この人とは合わないな」と感じたなら、その直感を信じてください。調査は、担当者との二人三脚です。信頼できない相手と、過酷な戦いを乗り越えることはできません。
まとめ:あなたの直感が、最高の羅針盤になる
この9つのチェックリストが、あなたの探偵選びの助けになれば、これほど嬉しいことはありません。
ですが、最後にもう一度だけ。
どんなに素晴らしい経歴や、安い料金を提示されても、あなたが「違和感」を感じたなら、契約してはいけません。
逆に、多少料金が高くても、「この人になら、私の人生を託せる」と心から思えたなら。
そのあなたの「直感」こそが、どの口コミサイトよりも、どのパンフレットよりも、あなたの未来を正しく照らす、最高の羅針盤になるのですから。
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