いよいよ、探偵社への無料相談の日。
予約の電話はしたけれど、心臓は今にも飛び出しそうなくらい、バクバクしているかもしれませんね。
「何を、どう話せばいいんだろう…」
「うまく言えなかったら、足元を見られてしまうかも…」
大丈夫。その不安、痛いほど分かります。
かつての私も、そうでしたから。緊張と混乱で、本当に聞くべきことを何一つ聞けずに、最初の面談を終えてしまいました。
こんにちは、みさきです。
この記事は、そんな私の失敗と、その後の専門家からの助言をもとに、生まれ変わりました。
この記事を読めば、あなたはもう、ただの不安な依頼者ではありません。探偵社の「法的遵守能力」と「専門性」を、冷静に見抜くことができる、情報に通じた監査人へと変わります。
あなたが無料相談の場で、主導権を握り、相手の本質を見抜くための「10の質問」。
自信を持って、あなたの未来を託せる相手かどうかを、見極めてきてください。
あなたの最強の盾:「探偵業法」というルール
まず、心に刻んでください。
探偵業界は、無法地帯ではありません。「探偵業法」という法律が、私たち依頼者を守るために、探偵社に厳格なルールを課しています。
その中でも、最も重要なのが、契約に関する「二段階プロセス」です。
- 【契約前】説明の義務: 探偵社は、契約を結ぶ「前」に、料金や調査内容などを詳しく書いた「重要事項説明書」をあなたに渡し、説明しなければなりません。
- 【契約後】書面の交付義務: あなたが説明に納得して契約を結んだ「後」に、最終的な内容を記した「契約書」を、遅滞なく渡さなければなりません。
「今日契約すれば安くします」と即決を迫る業者は、この「依頼者に考える時間を与える」という法律の原則を、意図的に破ろうとしています。その時点で、その業者は法律を守る意識が低い、ということです。
この法的知識こそが、あなたを悪質な業者から守る、最強の盾になります。
無料相談で聞くべきことリスト10選
料金に関する質問
- 「探偵業法に基づき、経費の概算額を全て含んだ、総額の見積もりを書面でいただけますか?」
- なぜ聞くの?:「1時間〇〇円」という単価に騙されないため。車両費、報告書作成費などの「諸経費」が後から加算されるのが一般的です。法律は、契約前に「金銭の概算額」を書面で示すことを義務付けています。この法的要求に、相手がどう応えるかを見てください。
- 「契約書の中で、調査が延長になる際の手続きと費用について、具体的に示してください」
- なぜ聞くの?:「調査が長引いたので、追加で〇〇万円です」という、最も多いトラブルを防ぐためです。「大丈夫です」という口約束には何の意味もありません。見積もりを超える費用が発生する場合、どのようにあなたの承認を得るのか、その手続きが契約書に明記されているかを確認することが、あなたを守ります。
- 「このパック料金で、もし調査が早く終わった場合、残りの時間分に関する規定は契約書にありますか?」
- なぜ聞くの?:パック料金の公平性を測るためです。多くの場合、早期に証拠が撮れても返金はありません。しかし、その点に関する方針は、その探偵社の顧客に対する誠実さを示す、重要な指標になります。
調査に関する質問
- 「契約書に記載される、具体的な調査計画の概要(人数、日時、機材、目標)を説明してください」
- なぜ聞くの?:あなたの状況を理解し、オーダーメイドの提案ができるかを見るためです。法律は、契約書に「調査の内容、期間及び方法」を具体的に記載することを義務付けています。この法的義務を、相手がどう果たそうとするかを見極めます。
- 「調査期間中の中間報告に関する手続きは、どのようになっていますか?その取り決めは、契約内容に含まれますか?」
- なぜ聞くの?:調査中のあなたの精神的な負担を、軽くしてくれる配慮があるかを知るためです。法律では最終報告だけが義務ですが、リアルタイム報告など、法律を超えたサービスを提供してくれるかは、その探偵社の質の高を示します。
- 「もし調査が『空振り』だった場合、その後の対策を協議するコンサルテーションは契約に含まれていますか?」
- なぜ聞くの?:最悪のケースを想定した時の、誠実さと専門性を見るためです。ただ「料金は発生します」で終わるのではなく、プロとして次の手を一緒に考えてくれるか。その姿勢が、パートナーとしての信頼性を左右します。
契約と法律に関する質問
- 「探偵業法第8条に基づき、検討のために『重要事項説明書』を交付してください。持ち帰って検討します」
- なぜ聞くの?:これが、リストの中で最も重要な質問です。これは「お願い」ではなく、法律で定められたあなたの権利の「請求」です。これを拒否したり、渋ったりする業者は、明確な法律違反であり、その場で相談を打ち切るべき、最も危険なサインです。
- 「重要事項説明書と契約書の両方で、キャンセルポリシーを詳述している条項を指し示してください」
- なぜ聞くの?:高額なキャンセル料トラブルを防ぐためです。口頭での説明ではなく、具体的な条文をあなたの目で確認し、「調査開始の24時間前に解約した場合、具体的にいくら負担するのか」を、その条文に沿って説明してもらいましょう。
- 「裁判で通用する報告書を作成するための、貴社の方法論を説明してください。個人情報を消したサンプルを拝見できますか?」
- なぜ聞くの?:「実績があります」という自己申告を鵜呑みにしないためです。裁判で求められる客観性や詳細性を、その探偵社が本当に理解しているか。その「方法論」を問うことで、相手の専門性の深さを測ります。
最後の質問
- 「大規模な調査を契約する前に、私の疑念を確かめるためだけに、貴社が推奨する、最も小規模で費用対効果の高い最初のステップは何ですか?」
- なぜ聞くの?:相手の「人間性」と「倫理観」を見るためです。いきなり高額なプランを勧めるのではなく、「まずはご自身で〇〇を試してみては?」といった、あなたの利益を最優先に考えた、血の通ったアドバイスをくれるかどうか。その一言が、あなたが相手を信頼できるかどうかの、最後の決め手になるかもしれません。
まとめ:あなたはもう、一人じゃない
この10の質問リストは、あなたの「武器」です。
そして、この武器を手に、冷静に相手を見極めようとしている今のあなたは、もう、かつてのように情報不足に怯えていた、無力な存在ではありません。
大丈夫。
自信を持って、あなたの未来を託せるパートナーかどうかを、あなたの目と、あなたの心で、確かめてきてください。
その一歩を、心から応援しています。
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