探偵社との契約を終え、あなたの心は、期待と、そして針の筵(むしろ)に座るような不安とで、張り裂けそうになっているかもしれませんね。
「調査は、いつ終わるんだろう…」
「1週間くらいで、結果は出るものなの…?」
一日でも早く、この苦しみから解放されたい。
その焦る気持ち、痛いほど分かります。私も、そうでしたから。調査期間中、スマートフォンの着信音が鳴るたびに、心臓が飛び跳ねていました。
こんにちは、みさきです。
ですが、どうか、心を落ち着けて聞いてください。
探偵の調査は、あなたが思っているよりも、時間がかかることがほとんどです。そして、その期間は、あなたの「目的」と、夫の「行動パターン」、そしてあなたが持つ「情報」によって、全く変わってきてしまうのです。
この記事では、そんな、終わりの見えない不安の中にいるあなたのために、浮気調査の「平均的な期間」と、その期間が何によって決まるのか、そしてあなたの未来を守るために本当に必要なことを、専門家の視点も交えて具体的にお話しします。
結論:調査期間は「数日~1ヶ月以上」。1週間で終わるかは、目的次第
まず、結論からお伝えします。
浮気調査にかかる期間は、本当にケースバイケースです。短い場合は数日、多くの場合は1週間~1ヶ月、長い場合は数ヶ月以上かかることも珍しくありません。
多くの方が期待する「1週間で、すべてが終わる」というのは、目的が「浮気の事実があるかないかを知りたい」だけであれば可能なケースもありますが、離婚や慰謝料請求を考えている場合は、極めて稀なケースだと考えておいた方が、あなたの心が、余計な焦りから解放されます。
では、なぜ、そんなに期間に幅があるのでしょうか。
それは、調査期間が、以下の3つの「変数」によって、大きく左右されるからです。
調査期間を決める「3つの変数」とは?【戦略的深掘り】
1. あなたが持っている「情報」の量と質
これが、調査期間と費用を左右する、最も大きな要因です。探偵は、魔法使いではありません。あなたが提供する「情報」という羅針盤がなければ、広大な海を、ただ闇雲にさまようことになってしまいます。
- 調査が長くなるケース×
- 「最近、夫の帰りが、何となく遅いんです」
- 「浮気相手は、誰だか全く分かりません」
- このように、情報が漠然としている場合、探偵は、まず夫の行動パターンを把握する予備調査から始めなければならず、どうしても期間は長くなってしまいます。
- 調査が短くなるケース◎
- 具体的な情報があれば、調査の的を絞れるため、期間も費用も大きく削減できます。以下のチェックリストを参考に、情報を整理してみましょう。
情報カテゴリ | チェック項目 |
---|---|
対象者の情報 | □ 最近撮影した鮮明な写真(正面、横顔、全身) □ 身長、体格、特徴的な癖など |
移動手段 | □ 使用車両の車種、色、ナンバープレート □ 主な駐車場所や通勤経路 |
行動・金銭的痕跡 | □ 怪しい曜日や時間帯 □ クレジットカードの明細にある不自然なレストランやホテルの利用履歴 |
【重要】
ただし、夫のスマホに無断でスパイアプリを仕掛けたり、SNSアカウントに不正にログインしたりする行為は犯罪(不正アクセス禁止法違反など)にあたる可能性があります。違法に集めた証拠は裁判で使えないばかりか、あなたが訴えられる危険性もあるため、絶対にやめましょう。
2. 夫の「行動パターン」と「警戒心」
調査対象者である、あなたの夫が、どのような人物かも、期間に大きく影響します。
- 調査が短くなるケース◎
- 夫の行動が、ルーティン化している。(例:毎週水曜日は、必ず飲み会で遅くなる、など)
- 夫が、浮気に対して、あまり警戒心を持っていない。
- 調査が長くなるケース×
- 夫の行動が、不規則で、全く予測がつかない。
- 夫が、非常に用心深く、常に周囲を警戒している。(過去に、あなたが問い詰めたことがある場合などは、この傾向が強まります)。一度調査がバレてしまうと、それまでにかけた費用は全て無駄になり、再調査はほぼ不可能になります。
3. あなたが求める「証拠」のレベル
あなたが、その証拠を、何のために使うのか。その「目的」も、調査期間を決定づける、最も重要な要素です。
- 調査が短くなるケース◎
- 目的: とにかく、浮気の事実があるかないか、白黒ハッキリさせたい。
- この場合、浮気相手と二人で会っているという事実を1回押さえるだけで十分なため、調査は比較的、短期間(数日~1週間程度)で終わる可能性があります。
- 調査が長くなるケース×
- 目的: 離婚や慰謝料請求のために、言い逃れのできない法的な証拠が欲しい。
- この場合、裁判で有効となる「継続的な不貞行為」を証明するため、ラブホテルに出入りする写真などを、複数回押さえる必要があります。そのため、調査は必然的に、1ヶ月以上に及ぶことが多くなります。
なぜ「複数回の証拠」が法的に重要なのか?
理論上、不貞行為(性交渉)は1回でも離婚原因になり得ます。しかし、慰謝料の金額は、あなたが受けた「精神的苦痛の大きさ」によって決まります。
裁判所は、一度きりの過ちよりも、長期間・多数回にわたる継続的な関係の方が、裏切られた側の精神的苦痛は遥かに大きいと判断する傾向にあるのです。複数回の証拠は、その関係が偶発的ではなく計画的な裏切りであったことを示し、行為の悪質性を高めるため、慰謝料の増額に直結します。
調査終了後にも時間はかかる?報告書作成の現実
探偵による尾行や張り込みといった実地調査が終わっても、すぐに最終結果が手に入るわけではありません。調査で得られた写真や動画を選定し、法廷提出資料として通用する正式な「調査報告書」を作成する期間が必要です。この作業には、通常2週間から4週間ほどかかります。全体のスケジュールを考える上で、この期間も必ず考慮に入れておきましょう。
まとめ:焦りは禁物。探偵、そして「弁護士」と現実的な計画を
もう一度、大切なことなので繰り返します。
調査期間は、「あなたの情報」×「夫の行動」×「あなたの目的」という、3つの掛け算で決まります。
どうか、「1週間で終わらせてほしい」という、焦る気持ちだけで、探偵に無理な要求をしないでください。
それは、不十分な証拠しか得られず、結果的に、あなたのお金と時間を無駄にしてしまう、最悪の一手になりかねません。
大切なのは、あなたが持っている情報をありのまま探偵に伝え、あなたの目的を明確にした上で、「私の場合は、どれくらいの期間と費用を見るのが、現実的ですか?」とプロの意見を聞くことです。
そして、もしあなたの目的が「離婚」や「慰謝料請求」であるならば、もう一歩踏み込んでください。調査を始める前に、弁護士に相談するのです。
「法的に勝つためには、どのような証拠が、どのくらい必要なのか?」というゴールを弁護士に設定してもらい、そのゴールを探偵と共有する。この依頼者・探偵・弁護士の三者連携こそが、あなたの未来を守るための最も確実な道筋となります。
その冷静な一歩こそが、あなたを不安から解放し、未来への主導権を取り戻す、最も力強い戦略になるのですから。
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