Google WorkspaceとMicrosoft 365は、どちらも独自ドメインのメール、オンライン会議、クラウドストレージ、文書作成、AI、管理機能をまとめた組織向けサービスです。選び方の中心は、普段使うファイル形式とアプリ、必要なストレージ、AIの範囲、端末管理です。
先に結論を言うと、Gmail、ブラウザ共同編集、Geminiを中心に使うならGoogle Workspaceが合わせやすく、デスクトップ版Word・Excel・PowerPoint、Outlook、Teamsを業務の標準にするならMicrosoft 365 Businessが合わせやすいです。月額だけで決めず、既存ファイル、取引先、移行作業まで含めて比較してください。
確認日:2026年10月3日。300人以下の組織向けBusinessプランを中心に、GoogleとMicrosoftの公式情報で比較します。個人・家庭向けMicrosoft 365 Personal/Familyとの比較ではありません。料金やAIの名称・提供範囲は変わるため、契約直前に公式申込画面を再確認してください。
結論:既存の仕事環境で選ぶ
| 判断軸 | Google Workspaceが合いやすい | Microsoft 365が合いやすい |
|---|---|---|
| メール | Gmailの操作や検索を統一したい | Outlook・Exchangeを標準にしたい |
| 文書 | ブラウザで同時編集することが多い | デスクトップ版Officeと複雑な既存ファイルが重要 |
| 保存 | 組織で共有するストレージプールを使いたい | 利用者ごとに1TBのOneDriveを持たせたい |
| 会議 | GoogleカレンダーとMeetを一体運用したい | Teamsのチャット・会議・チーム運用を使いたい |
| AI | Gmail・Docs・MeetなどのGeminiをプラン内で使いたい | 安全なCopilot Chatから始め、必要なら有料Copilotを追加したい |
| 端末管理 | Google中心のブラウザ・クラウド運用を整えたい | Windows端末、Intune、Defenderまでまとめたい |
料金を比較
両社のBusinessプランは最大300ユーザーが基準です。次の表は、機能が完全に同じという意味ではなく、価格帯と主な役割が近いプランを並べています。
| 位置づけ | Google Workspace | Microsoft 365 Business |
|---|---|---|
| 基本 | Business Starter:月800円 30GBのプール、Gmail、Meet、Gemini | Business Basic:月1,049円 1TB OneDrive、Web・モバイル版Office、Outlook、Teams、Copilot Chat |
| 標準 | Business Standard:月1,600円 2TBのプール、主要アプリのGemini、Meet録画 | Business Standard:月2,098円 1TB OneDrive、デスクトップ版Office、Outlook、Teams、Copilot Chat |
| 高度管理 | Business Plus:月2,500円 5TBのプール、Vault、高度な端末管理 | Business Premium:月3,298円 Standardの機能、Intune、Defender for Businessなど |
Googleは年間契約の通常料金としてStarter 800円、Standard 1,600円、Plus 2,500円を表示しています。Microsoftは年払いの月額相当としてBasic 1,049円、Standard 2,098円、Premium 3,298円を表示しています。
価格だけを見るとGoogleが低く見えますが、Microsoft 365 Business Standardにはデスクトップ版Word・Excel・PowerPoint・Outlookが含まれます。Google Workspaceはブラウザ中心の共同編集とGeminiの組み込み範囲が特徴です。必要なアプリを別契約したときの総額まで比べてください。
メール:GmailかOutlookか
Google Workspaceは独自ドメインのGmailを利用します。迷惑メール対策、検索、Googleカレンダー、Meet、Driveと同じアカウントでつながるため、個人向けGmailに慣れているチームは移行後の操作を理解しやすい構成です。
Microsoft 365 BusinessはExchange OnlineとOutlookを中心に、独自ドメインのメールと予定表を運用します。Microsoft公式は、Business向けメールボックスを50GBと案内しています。Outlookの共有メールボックスや既存のOffice環境を重視する組織はMicrosoft側を比較します。
すでに独自ドメインのメールを運用している場合、契約よりも移行手順が重要です。DNSのMXレコードを先に変更すると受信に影響するため、利用者、過去メール、切替日時、送受信テストを決めてから移行します。Google側の順序はGoogle Workspaceの始め方で整理しています。
文書作成:共同編集かデスクトップOfficeか
Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドは、ブラウザでの共同編集、コメント、共有を中心に設計されています。複数人が同じ資料を同時に更新し、ファイルをメール添付で往復させたくないチームに向きます。
Microsoft 365 Business StandardとPremiumは、Web・モバイル版に加えてデスクトップ版Word、Excel、PowerPoint、Outlookを利用できます。複雑なExcel、マクロ、レイアウトを崩したくないWord・PowerPoint、取引先指定のOffice形式が多い場合は、Microsoft側の優位が大きくなります。
Google WorkspaceでもOfficeファイルを開いて編集できますが、複雑な書式や機能が完全に同じとは限りません。Microsoft 365でもブラウザ共同編集はできます。単純に「Googleは共同編集、Microsoftは一人作業」と分けず、実際に使う代表ファイルで試してください。
ストレージ:共有プールか1人1TBか
Google Workspaceは、ユーザー数に応じて組織全体で共有するストレージプールです。Starterは1人あたり30GB、Standardは2TB、Plusは5TBが組織のプールへ加算されます。GmailとDriveなどで共有するため、一部の利用者だけ容量を多く使う運用にも対応しやすい一方、全体残量の管理が必要です。
Microsoft 365 Businessは、各利用者に1TBのOneDriveストレージを提供します。個人領域の基準が分かりやすい一方、チーム共有はSharePointやTeamsの保存先も含めて設計します。単純な「1TB対2TB」ではなく、個人領域、チーム領域、メール、録画の置き場所を比較してください。
会議:Google MeetかMicrosoft Teamsか
Google Meetの上限はBusiness Starterが100人、Standardが150人、Plusが500人です。Standard以上では録画やノイズキャンセリングなどを利用できます。Googleカレンダーから会議を設定し、録画をDriveへ保存する流れが中心です。
Microsoft 365 BusinessはTeamsでチャット、通話、会議、チームのファイル共有をまとめます。会議だけでなく、部署やプロジェクト単位のチャンネルを日常の連絡基盤にするかが判断点です。MicrosoftにはTeamsを含まないプランもあるため、価格表ではTeamsの有無を必ず確認してください。
AI:GeminiとCopilotは料金の含まれ方が違う
Google WorkspaceはGeminiを各Businessプランへ組み込んでいます。ただし、StarterはGmail中心、Standard以上はGoogleドキュメントやMeetなど対応範囲が広がるため、「Gemini付き」だけで同じ機能と判断しないでください。
Microsoft 365 Business Basic・Standard・Premiumには、職場アカウント向けの安全な基本AIチャットであるCopilot Chatが追加料金なしで含まれます。Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどで組織データを広く参照する有料Copilotは、別ライセンスまたはCopilot付きバンドルとして比較します。
Microsoft公式では名称の移行中に「Microsoft Copilot」「Microsoft 365 Copilot」「Copilot Chat」が混在する場合があります。無料の基本チャットと、有料のアプリ内Copilotを同じものとして価格比較しないことが大切です。個人向けを含むMicrosoft CopilotのプランはMicrosoft Copilotの料金比較で整理しています。
データ保護と管理機能
Googleは、顧客の許可なくWorkspaceの顧客データをWorkspace外の生成AIモデルの学習・改善へ使わないと説明しています。Microsoftも、エンタープライズデータ保護が適用されるCopilotとCopilot Chatのプロンプト・応答を基盤モデルの学習に使わないと説明しています。
どちらも契約するだけで安全設定が完了するわけではありません。利用者の権限、外部共有、保持、監査、端末、退職時のデータ移管を管理者が設定します。Googleの学習・履歴・共有・退職時の確認はGoogle Workspaceのデータ保護、個人向けと職場向けMicrosoft Copilotの違いはMicrosoft Copilotのメモリ・履歴・学習設定を参照してください。
高度管理プランの重点も異なります。Google Business PlusはVault、5TBのストレージプール、高度なエンドポイント管理などを含みます。Microsoft Business PremiumはIntuneによる端末管理とDefender for Businessなどを含み、Windows端末を含めた管理をまとめやすい構成です。
5人で使う場合の年額目安
| プラン | 月額合計 | 年額合計 |
|---|---|---|
| Google Starter | 4,000円 | 48,000円 |
| Microsoft Basic | 5,245円 | 62,940円 |
| Google Standard | 8,000円 | 96,000円 |
| Microsoft Standard | 10,490円 | 125,880円 |
| Google Plus | 12,500円 | 150,000円 |
| Microsoft Premium | 16,490円 | 197,880円 |
差額だけでなく、Microsoft側でデスクトップOfficeが必要か、Google側でGeminiとストレージをどこまで使うかを確認します。移行支援、教育、バックアップ、端末管理を外部へ依頼する場合は、その費用も初年度の総額へ加えます。
選び方を4段階で整理
- 必須アプリを確認:デスクトップ版Officeや複雑なExcelが必須ならMicrosoftを先に比較する
- メールと会議を確認:Gmail・Meetか、Outlook・Teamsか、現在の仕事の流れに近い方を選ぶ
- AIを分ける:基本AIチャットと、メール・文書・会議内で使うAIの範囲を分けて料金を確認する
- 移行と管理を見積もる:過去メール、ファイル、共有権限、端末、退職者データの移行工数を含める
Google Workspaceが向く組織
- Gmail、Googleカレンダー、Driveに操作を統一したい
- ブラウザでの同時編集と共有を中心にしたい
- GeminiをGmailやGoogleドキュメントなどで使いたい
- デスクトップ版Officeが全員には不要
- 少人数から料金を抑えて独自ドメインメールを整えたい
Google Workspaceを選ぶ場合は、各プランの通常料金、Gemini、容量、14日間試用、初年度10%割引コードの対象条件を次の記事で確認できます。
Microsoft 365が向く組織
- Word・Excel・PowerPointの既存資産が多い
- Outlook、Exchange、Teamsを標準にしたい
- デスクトップアプリを複数端末で使いたい
- Windows端末、Intune、Defenderをまとめて管理したい
- 外部とのファイル互換性を最優先したい
個人向けMicrosoft 365 Personal/Family/Premiumと、法人向けBusinessは契約単位と管理機能が異なります。家庭向けプランとの比較は無料版CopilotとMicrosoft 365の違いで確認してください。
契約前チェックリスト
- 全員にデスクトップ版Officeが必要か
- 複雑なExcel、マクロ、既存テンプレートを移行できるか
- GmailとOutlookのどちらに教育・移行コストが少ないか
- 保存先を個人領域とチーム領域に分けられるか
- MeetまたはTeamsの参加人数、録画、ウェビナー要件を満たすか
- 基本AIチャットとアプリ内AIの費用を混同していないか
- 外部共有、保持、監査、端末管理の要件を満たすか
- 過去メール、ファイル、カレンダーの移行手順を試したか
- キャンペーン終了後の通常料金で年額を計算したか
よくある疑問
Google WorkspaceとMicrosoft 365は併用できますか?
できます。ただし、メール、予定表、ファイル、会議、アカウント管理が二重になると運用が複雑になります。デスクトップ版Officeだけ追加するなど、併用する目的と正本データの置き場所を決めてください。
安いプランから始めればよいですか?
最低価格だけで選ぶと、Googleでは容量やMeet録画、MicrosoftではデスクトップOfficeが不足する場合があります。代表的な仕事を3つ選び、必要なアプリ、容量、会議、AI、管理機能を試用中に確認します。
AIを重視するならどちらですか?
GoogleはGeminiがBusinessプランへ組み込まれていますが、プランで対応アプリが異なります。Microsoftは基本のCopilot Chatと、有料のアプリ内Copilotを分けて比較する必要があります。AIだけでなく、参照させるメール・ファイルの置き場所と管理権限で選んでください。
公式情報
- Google Workspace:プランと機能
- Google Meet:Businessエディションの機能比較
- Google Workspace:生成AIのセキュリティとプライバシー
- Microsoft 365 Business:プランと価格
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft Learn:Microsoft 365 Businessの概要
- Microsoft Learn:Copilot Chatの管理
- Microsoft Learn:Copilotのエンタープライズデータ保護
まとめ
Google Workspaceは、Gmail、ブラウザ共同編集、共有ストレージプール、Geminiを中心に、少人数から業務環境を整えやすいサービスです。Microsoft 365 Businessは、Outlook、Teams、デスクトップ版Office、Windows端末管理との一体運用が強みです。
料金表の同じ位置にあるプランでも機能は同じではありません。代表ファイル、メール移行、会議、AI、外部共有、端末管理を試用中に確認し、1年間の総額と移行工数を含めて選んでください。

